光と影

ああ、眠れない。眠れないことがある。週に一回はある。
まったく困ったもので、眠らないといけないときに限って、眠れない。眠れない夜はなんだか、眠れないので、本当にいろいろなことを、どうでもいいことや、考えるのを後回しにしたことや、早急に答えを出さないといけないことを、繰り返し繰り返し考えてしまう。ばかみたいに繰り返す。繰り返し考えているうちに、脳が消耗されていく。考えることに疲れてしまう。どうしようもないので、あかりをつけて小説なんかを読むけれど、いっこうに眠れない。そしてまた、あかりを消して考え事に耽るのである。その繰り返しで、五、六時間経ってたりして、滅茶苦茶しんどくて、ああなんて時間の使い方をしたんでしょうとひとり絶望する。
でもね、夜明け前に疲れ果てて、一杯牛乳を飲もうとして開けた冷蔵庫のあかりが、なんだか、静かで温かくて、やさしかったから、まあこんな夜もありかなぁとか、思う。